- 思うように結果が出ない…
- なんでかわからないけど、調子が上がらない…
そう思うことはありませんか?
私も昔、ベンチプレスの重量が思うように伸びず、悩んだことがあります。やってもやっても、フォームが安定せず怪我につながることもありました。
しかし、PDCAを回し始めて記録が伸びだし、全日本ベンチで優勝することができたのです。
今回は、PDCAとは何か、PDCAの効果、PDCAの回し方を解説します。ぜひ、参考にしてくださいね。
PDCAとは?
PDCAは、ビジネスや業務改善のサイクルを表す手法で、以下の4つのステップから成り立っています。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Act(改善)
簡単な例とあわせて、詳しく解説しますね。
ステップ1.Plan(計画)
改善したい課題や目標を設定し、そのための計画を立てます。目標達成に必要なリソースや具体的なアクションを明確にします。
例えば、100メートル走のタイムを縮めるという目標を設定し、具体的なトレーニング計画を立てるとします。目標は、「現在のタイムを1秒縮める」です。
その場合の計画は、週に3回のスプリント練習、週に2回の筋力トレーニング、そして1回のフォーム改善のためのビデオ解析を行うなどです。
ステップ2.Do(実行)
計画に基づき、具体的な行動を実際に行います。結果が出るまでの過程で、計画通りに進んでいるかを確認しながら進めます。
先程の例に合わせると、作成した計画に沿って、実際にトレーニングを開始します。進捗が計画通りか確認し、必要であればトレーニング内容を微調整します。スプリント練習、筋力トレーニング、フォーム解析をそれぞれ決めた頻度で実施します。
ステップ3.Check(評価)
実行した結果を検証し、目標に対してどれだけ達成できたか、問題点はどこにあったかを評価します。データやフィードバックをもとに効果を測ります。この振り返りが大切なポイントです。評価しないことには、新たな改善すべきことは何かがわかりません。自分で気づき、次の手を考えられることが重要です。
次の手とは仮設に過ぎず、正しいか間違っているかはありません。再びPDCAを回したときに、今の自分にはこの計画ではなかったと理解することができれば満点なのです。
引き続き同じ例で考えてみます。ここは、ステップ2で実行したトレーニングの効果の評価です。ビデオ解析でフォームの改善点を確認し、改善が進んでいるかチェックしたり、毎週100メートル走のタイムを測定し、どの程度タイムが改善したかを確認するなどします。そこで、自分なりにどの点が良かったのか、改善点は何かを振り返ります。
ステップ4.Act(改善)
評価結果をもとに、次回のサイクルで改善するためのアクションを決定し、新たな計画に取り組みます。これにより、PDCAサイクルが次に進み、より高い目標達成を目指します。
こちらも同じ例で言うならば、ステップ3の評価結果をもとに次回のトレーニングに反映するのです。もし目標タイムが達成できていなければ、スプリント練習の回数を増やしたり、筋力トレーニングのメニューを見直します。また、フォームにまだ課題がある場合は、さらに改善のための特定のドリルを取り入れるなど、次のPDCAサイクルに向けた調整を行います。
PDCAサイクルを回す3つの効果
PDCAサイクルを回す効果は、主に以下の3つです。
- 目標達成の確率が上がり、継続的な改善が可能になる
- 問題解決が効率よくできるようになる
- チームや組織全員の意識が統一される
一つずつ解説します。
効果1.目標達成の確率が上がり、継続的な改善が可能になる
計画(P)を立て、それを実行(D)し、定期的に評価(C)して改善(A)することで、目標に対するアプローチが徐々に洗練され、達成の可能性が高まります。また、定期的に目標の達成度を確認し、問題点を改善していくことで、業務やスキルが段階的に向上します。PDCAを回すことで、一度きりの改善ではなく、継続的な改善が期待できます。
効果2.問題解決が効率よくできるようになる
C(Check)での振り返りにより、具体的な問題点が明確になるため、A(Act)で的確な改善策が立てられます。このサイクルが回ることで、非効率な取り組みが少なくなり、効果的な問題解決が可能です。
また、スポーツだけでなく、日常で起こる問題を解決するための考える力もつきます。PDCAは常に評価と改善を繰り返すため、状況の変化に対しても柔軟に対応できるようにもなります。市場の変動やチーム内の変化にも対応しやすく、適応力が向上するからです。
効果3.チームや組織全員の意識が統一される
チームでPDCAを回す場合、メンバー全員が同じプロセスを共有し、目標に対する認識が統一されやすくなります。すると、目標達成への意識が高まり、チームの一体感が生まれます。チーム競技の場合には、チームとしてのPDCAと個人としてのPDCAを回す必要があります。
みんなで振り返りをすることで、絆も深まり、良い効果をもたらすのではないかと考えています。
PDCAの回し方
では、実際PDCAを回すにはどのようにしたら良いのでしょうか。4つのステップに合わせて解説しますね。
ステップ1.Plan(計画)
PDCAサイクルの最初のステップとして、まず達成したい目標を具体的に設定しましょう。この際、目標はできる限り測定可能で具体的なものとし、そのために必要なリソースや具体的なアクションも明確にします。
また、達成までの期限や進捗の頻度をスケジュール化し、実行の道筋を固めます。
ステップ2.Do(実行)
計画に基づいて具体的な行動を開始します。
実行の際は、計画通りに進行しているかを随時確認し、予定から逸れないよう調整しながら進めることが大切です。また、後の評価に役立つよう、実行の過程や結果を詳細に記録しておきます。
ステップ3.Check(評価)
実行した結果を振り返り、設定した目標に対してどれだけ達成できたかを検証します。
この段階で、計画通りに進まなかった原因や改善点を明確にし、データやフィードバックをもとに効果を測ることで、次に繋げるための評価を行います。(振り返り)
ステップ4.Act(改善)
評価結果をもとに、次のPDCAサイクルに向けた改善策を決定します。ステップ3で明らかになった課題を考慮し、新しい計画に反映させることで、サイクル全体をより良いものにしていきます。
こうしてPDCAを繰り返すことで、目標達成に向けて継続的な改善が進み、結果につながるのです。
効果的にPDCAを回すコツ
効果的にPDCAを回すためには、小さな目標からスタートしましょう。まずは達成しやすい目標でPDCAを回すことに慣れると同時に、成功体験を積みます。成功体験を何度も味わうことで、自己肯定感も高まり相乗効果が現れるのです。
また、短期間のサイクルで回すことが望ましいです。例えば、100メートル走のタイムを1秒縮めるという目標だとしたら、もっと手前の段階にストーンマイルとして、以下のような小さい目標を設定するのです。
- スタートダッシュの反応速度を0.1秒縮める(月間目標)
- 100メートルの走りをビデオ撮影して、月に1回フォームを見直す(月間目標)
- タイムを0.1秒短縮することを目指し、週1回タイム測定を行う(週間目標)
どんな目標が良いかは、個人の能力や得意なことによりますが、月間や週間、はたまた一日でPDCAを回すことをおすすめします。ノートや手帳などで管理するのが良いですね。
そして、評価は感覚や経験に頼るのではなく、データに基づいたチェックを行い、効果的な改善を目指します。最初は難しいと思うのですが、言語化することで改善可能になります。「なんとなくできなかった」では、改善のしようがありません。「これかも?」と思うことで良いのです。そこでまたPDCAを回すことで、本当の正解に辿り着きます。その結果、最初に掲げた大きな目標を達成することができるのです。
まとめ
PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」の4つのステップで、ビジネスや業務改善のサイクルを表す手法です。
このPDCAを回すことで、目標達成の確率が上がり、継続的な改善が可能になります。また、問題解決が効率よくできるようになり、スポーツだけでなく日常生活の問題解決能力も身につきます。他にも、チームや組織全員の意識が統一され、目標達成への意識が高まり、チームの一体感が生まれます。
特に、Checkの振り返りが大切です。しっかりと良かった点や改善点を言語化しましょう。言語化しないと改善ができませんし、良い点も再現性が下がります。
達成したい目標に対して、小さなマイルストーンとしての目標を設定することがPDCAを効果的に回すコツです。小さな成功体験を積み上げることでモチベーションを保てます。また、短い期間でサイクルを回すことで細かく軌道修正しながら目標に向かっていけます。大きく道を外れてからの修正より、少しずれたところで修正できる方がよりはやく目標に辿り着くことができるのです。
まずは小さな目標から、ぜひPDCAを回してみてください!